総合生活闘争

 連合に加盟する労働組合では、賃金・労働条件・職場環境の向上をめざし、経営者側と団体交渉を行います。
 働く仲間が安心して労働できる環境を作ることは、労働組合の最も重要な運動と言えます。

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 実際の交渉は各労働組合が個別に会社と行いますが、連合は日本経済全体や労働者の置かれた状況全体を俯瞰したうえで、方針を策定したり、産業別組織間の調整をするなど、春闘全体の成果を最大化し、社会全体に労働条件の底上げを波及させるために努力しています。

春季生活闘争とは?

 企業の経営側と労働組合側は毎年春に新年度の社員の賃金やボーナス、処遇の改善などについて話し合います。それが「春季生活闘争」いわゆる「春闘」です。毎月の給与は、定められた時間を働いたことに対する基本給や、残業手当などの所定外賃金に分けられますが、春闘では、給与の大部分を占める基本給の増額をめざして話し合いが行われています。

 また、同様に夏季一時金闘争や秋季年末一時金闘争といった、季節闘争も展開しています。
 特に秋季闘争は、民間組合における年末一時金労働協約改定闘争に加え、公務員組合における賃金確定闘争さらには石川県や各自治体に対する政策制度要求の実現をめざして取り組みを進めます。

 連合では、集約した加盟組合の闘争状況の提供や、集会の開催や街頭キャンペーンの実施を通じて、組合のない職場で働く仲間の賃金アップにむけた世間歓喜・相場形成を行っていきます。
 また、賃金引き上げの流れを社会的に醸成するため、経済・業界団体への要請行動や意見交換を行っています。

「ベースアップ」と「定期昇給」とは?

昇給制度は企業によってさまざまですが、年功序列の賃金制度をベースにしている企業の場合、年齢につれて給与があがる「定期昇給(定昇)」と、「ベースアップ(ベア)」に区分されます。
「定期昇給(定昇)」は年齢や社歴と連動したもの、「ベースアップ(ベア)」はそれらと関係なく給与水準そのものを一律で引き上げるものです。
年齢や勤続年数がまちまちな職場の仲間の賃金を、年齢や勤続年数の順に並べてみます。すると、年齢や勤続年数が増えるにつれて賃金も上がっていき、ほぼ右肩上がりの曲線が描かれます。この、賃金の上昇具合をあらわす曲線のことを「賃金カーブ」といいます。
近年では、定期昇給を廃止し、個人の能力や仕事の成果に応じた賃金を支払う成果主義の導入を導入している企業も増えてきました。ただ、定期昇給がなくても、「賃金カーブ」を知ることによって、自分の職場がどのくらい毎年賃金が上がっているのか、また賃金ベースがどのくらいかを知ることができます。

「賃金」とは?

賃金は雇用主が労働者に対し、労働の対価として支払う金額を指します。給料・手当・賞与など、名称を問わず、労働の対価として支払われるもの全てが当てはまります。

「基本給」とは?

「基本給」は会社から支給される給与のベースとなる部分です。原則として、残業代・交通費などの手当の部分は含みません。
基本給+各種手当=毎月の「給与」となり、税金や社会保険料が天引きされた額がいわゆる「手取り額」です。
基本給の決め方は会社によって異なり、個々の能力や勤続年数などに応じて定期的に見直されるものです。
基本給は、ボーナスや退職金、時間外手当の基準値となります。

給与・給料・固定給?

「給与」は、基本給と各種手当を合計したものです。手当の種類は会社や職種によって異なりますが、通勤手当・住宅手当・慶弔見舞金などが一般的です。残業や夜勤などが加わります。
「給料」は、基本給と同じように、ボーナスや各種手当を含まない状態を指します。一般的には会社で規定されている一定額が支払われます。
「固定給」は、給与のうち一定の勤務時間に対して、固定されている金額です。住宅手当や役職手当などが固定給に含まれる場合があります。
日給制・時給制・月給制などは固定給の一種で、業績に関わらず、一定額が定められています。残業が発生した場合は、固定給とは別に手当をもらえます。
これらは、変動給・歩合制・出来高払いとも呼ばれます。

日給・月給・月収?

「日給」は、働いた日数分だけ賃金が支払われる給与体系のことです。
「月給」は、月単位で支給される固定の賃金のことで、基本給と固定手当を合計したものとなります。
「月収」は、年収を12カ月で割った金額を指し、時間外手当や通勤手当のような変動手当も含まれています。
また、1日単位で規定の出勤日数を満たせば、1カ月分の給与が支払われる「日給月給制」があります。